文学やアニメ、映画、思想など、「ディストピア」に関連する言葉のギャラリーです。

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物語

睡眠教育

眠っている子どもに言葉を繰り返し聞かせ、価値観や道徳を刷り込む教育法。人は自分で考える前に、社会に都合のよい信念を植えつけられる。

来歴

睡眠教育とは、オルダス・ハクスリーの小説『すばらしい新世界』に登場する、眠っている子どもへ言葉を繰り返し聞かせる教育法を指す。枕もとの装置から短い文句が幾晩も流され、目覚めた子どもはその内容を、自分の考えとして持つようになる。

この方法で知識を教えることはできない。数や理屈は眠りの中には入らない。入るのは、階級への誇り、古いものを捨てて新しく買うことを善とする感覚、誰もが誰のものであるという性の作法といった、価値の判断にかかわる短い言葉である。一つの信念を作るのに要する反復の回数は、数万回という単位で語られる。積み重ねられた文句は、根拠を思い出せないまま確信だけを残す。

自分で選んだ覚えのない信念は、疑う手がかりを持たない。睡眠教育が示すのは、統制が意見を禁じる段階ではなく、意見が生まれる前の段階で働きうるということである。教え込まれたことに気づけないとき、人はそれを自分の性格だと思うようになる。

出典

すばらしい新世界 オルダス・ハクスリー / 1932

人が工場で生産・管理される未来社会。人々は生まれる前から階級を定められ、薬〈ソーマ〉で不安を消され、与えられた幸福の中で疑問を持たない。安定と引き換えに自由を手放した世界を描く。

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