プロパガンダ
人々の深層心理や欲望、同調意識などを利用し、自分で選んだと思わせながら人々を特定の考えや態度へと導く情報操作。真偽よりも、どう感じさせるかが重視される。
来歴
プロパガンダとは、人々の考えや態度を特定の方向へ導くために行われる情報の働きかけを指す。語そのものは、十七世紀にカトリック教会が布教のために設けた機関の名に由来し、当初は否定的な意味を持たなかった。
近代的な形が整理されたものとして、エドワード・バーネイズの『プロパガンダ』(1928年)がしばしば挙げられる。第一次世界大戦期の宣伝活動に関わったバーネイズは、その手法を平時の広報や広告へ持ち込み、人を説得するのではなく、望ましいと感じさせる方法を体系化しようとした。彼が重視したのは、論証ではなく、欲望や不安、周囲に合わせようとする心の動きである。
事実に反するかどうかは、この技術の本質ではない。真実だけを用いても、何を伝え、何を伝えないかを選べば足りるからである。プロパガンダという語が指しているのは、嘘の有無ではなく、自分で選んだという感覚を保ったまま、選ぶ材料の側が整えられている状態である。
出典
エドワード・バーネイズ『プロパガンダ』(近代的に定式化)