文学やアニメ、映画、思想など、「ディストピア」に関連する言葉のギャラリーです。

用語一覧へ戻る

物語

ゴースト

身体を機械に置き換えてもなお残るとされる、その人を「その人」たらしめる何か。だが偽の記憶さえ植えられる世界では、その本物さを誰も保証できない。

来歴

ゴーストとは、士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』で用いられる語で、身体を機械に置き換えてもなお残るとされる、その人をその人たらしめている何かを指す。作中では、魂とも意識とも言い切られないまま、実務的な言葉として扱われる。

電脳化が行き渡り、身体を機械に置き換えることも可能になった世界では、身体も記憶も交換の対象になる。それでも、根拠を示せない直観がゴーストの働きとして語られ、そこに最後の拠りどころとしての位置が与えられている。一方で、そのゴーストを外から侵す「ゴーストハック」が存在することも、同じ作品が描いている。

確かなものとして語られながら、それが本物である保証はどこにもない。ゴーストという語が担っているのは、答えではなく問いのほうである。人間を構成する部品がすべて置き換え可能になったとき、残っていると信じられているものは何なのか——作品はその問いを、解かないまま提示し続けている。

出典

攻殻機動隊 士郎正宗 / 1989

脳をネットワークにつなぐ〈電脳化〉が当たり前になった近未来。義体をまとう草薙素子ら公安九課が、電脳犯罪やテロを追う。身体を機械に置き換えてなお残る〈ゴースト〉=自己をめぐって物語が進む。

PR作品を見る