プリコグ(犯罪予知)
殺人が起きる未来を予知する能力者。まだ罪を犯していない人間を、その予知にもとづいて逮捕する社会を成り立たせている。
来歴
プリコグとは、スティーヴン・スピルバーグの映画『マイノリティ・リポート』(原作はフィリップ・K・ディックの小説)に登場する、殺人の起こる未来を予知する能力者を指す。英語で予知能力を意味するプレコグニションに由来する。彼らの見た映像をもとに、犯罪予防局はまだ罪を犯していない者を逮捕する。
作中の社会では、この仕組みによって殺人が起きなくなったとされる。逮捕された者は、実行していない罪の刑に服す。制度が正しいと言えるのは、予知が必ず当たるという前提が守られているあいだだけである。物語は、その前提に例外が生じうると分かったところから動きはじめる。
未来が100%決まっているなら、人間は自分の意志で行動を選べない。選ぶ余地がない以上、本人の責任として罰することはできなくなる。逆に、未来を変える余地があるなら、まだ殺人を犯していない人間を逮捕することは不当な冤罪となる。プリコグという存在は、「事前に犯罪を防ぐシステムが完璧になればなるほど、未未罪で人を裁く正当性が失われていく」という矛盾を浮き彫りにしている。
出典
マイノリティ・リポート スティーヴン・スピルバーグ / 2002
犯罪が起きる未来を予知し、加害者をまだ罪を犯す前に逮捕する〈犯罪予防局〉。予知は本当に正しいのか――未来を裁く社会の危うさを描く。フィリップ・K・ディックの短編が原作。
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