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物語

思想犯罪

体制に反する思考を抱くこと自体が犯罪とされる概念。行動ではなく、内面や思考そのものが処罰の対象となる。

来歴

思想犯罪とは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』において、党の方針に反する考えを心の内に抱くこと自体が罪とされる概念を指す。行為ではなく、思考が処罰の対象になる。

オセアニアでは、何が罪に当たるかがあらかじめ示されているわけではない。にもかかわらず、徹底した監視社会によって、日記をつけること、標語に疑いを持つこと、表情に一瞬の動揺を見せることまでが、思想警察に見咎められる兆候になりうる。何をしたかではなく、どう考えたかが問われるため、市民は自分の内面を自分で見張るほかなくなる。

思考が罪になる社会では、罪を犯していないと証明する方法もない。人は疑われないために、疑いを持たない自分をつくりはじめる。思想犯罪は、外からの取り締まりが内面の自己検閲へと移し替えられていく過程を、一語で言い表した概念だと言える。

出典

1984年 ジョージ・オーウェル / 1949

全体主義国家が支配する近未来。党は人々の言葉と記憶までも統制し、〈ビッグ・ブラザー〉の名のもとに思考そのものを監視する。下級党員ウィンストンのささやかな反逆を描く、ディストピア文学の原点。

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