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物語

思想警察

家や街にあるテレスクリーンと呼ばれる監視装置などによって、人々の内面を事細かく見張り、体制に反する思考(思想犯罪)を摘発する秘密警察。密告と徹底した監視網によって、心の中の反逆さえも見逃さない。

来歴

思想警察とは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する架空国家オセアニアの秘密警察組織のことを意味する。党の支配体制を維持するため、市民の行動や発言だけでなく、反体制的な思想の兆候までも監視し、取り締まる役割を担っている。

オセアニアでは、国家への反抗は行動として表れる前に思想犯罪として処罰の対象となる。思想警察は、テレスクリーンによる日常的な監視や、市民同士の密告制度などを通じて、党に対する疑念や不信の芽を探し出す。そこでは、何をしたかだけでなく、どのように考えているか、どのような表情を見せたかまでもが監視の対象となる。

思想警察の存在は、支配が外部からの強制だけによって成り立つのではなく、人々が自らの内面を監視し、抑制することで維持される社会を象徴している。テレスクリーンが物理的な監視の装置であるならば、思想警察はその監視を精神の領域へ及ぼすための制度と言える。 さらに『1984年』では、ニュースピークによる言葉の制限や、二重思考による矛盾した現実の受容などを通じ、人間の認識そのものが管理される社会が描かれている。思想警察は、そうした全体主義的な支配構造の中心に位置する存在であり、権力が人間の内面へ到達することを象徴する概念である。

出典

1984年 ジョージ・オーウェル / 1949

全体主義国家が支配する近未来。党は人々の言葉と記憶までも統制し、〈ビッグ・ブラザー〉の名のもとに思考そのものを監視する。下級党員ウィンストンのささやかな反逆を描く、ディストピア文学の原点。

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