適正者/不適正者
遺伝子操作で生まれた“適正者”と、自然に生まれた“不適正者”に人が二分される社会。能力ではなく遺伝情報だけで、就ける仕事や人生が決められる。
来歴
適正者と不適正者とは、アンドリュー・ニコルの映画『ガタカ』で用いられる区分を指す。受精の段階で遺伝子を選別されて生まれた者が適正者、自然な妊娠で生まれた者が不適正者とされ、就ける職業や生活の可能性が事前に振り分けられる。
遺伝情報による差別は法で禁じられている。それでも実際には、髪一本、指先の血液一滴から個人の見込みが読み取られ、面接の前にすべてが済んでいる。主人公ヴィンセントは不適正者として生まれ、他人の生体情報を借りることで、宇宙飛行士の資格を得ようとする。
数値が示すのは可能性であって、その人が何をするかではない。この作品が置いているのは、遺伝子が運命だという主張ではなく、そう信じた社会が本人より先に結論を出してしまうという構図である。禁じられているはずの差別が、統計と効率の顔をして日常に馴染んでいく。
出典
ガタカ アンドリュー・ニコル / 1997
遺伝子操作で生まれた“適正者”が優遇され、自然に生まれた者は“不適正者”とされる社会。遺伝情報だけで人生が決まる世界で、宇宙飛行士を夢見る青年ヴィンセントの挑戦を描く。
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