101号室
ビッグ・ブラザーへの愛と忠誠を抱かせるための、洗脳と拷問の場である愛情省。その奥にあり、誰もが恐れる101号室。徹底的な監視体制によって囚人一人ひとりの「この世で最も恐ろしいもの」が把握されており、それを突きつけられた者は、最後に残った愛さえも自分の口で裏切り、心を空にさせられる。
来歴
101号室とは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する、ビッグ・ブラザーへの愛と忠誠を抱かせる愛情省の奥に置かれた尋問室を指す。誰もが恐怖を覚える101号室には、その人にとって最悪のものがそこにあるとされ、中身は人によって違う。
党は、囚人一人ひとりが何を最も恐れるかを監視体制によって把握している。101号室で突きつけられるのは、暴力そのものよりも、その個人にだけ効く恐怖である。主人公ウィンストンは、そこで自分が最後まで守ろうとしていたものを、自らの口で差し出すことになる。
痛みで口を割らせるのではなく、その人が誰を、何を大切に思っているかを使って心を折る。だからこの部屋は、監視が個人の内側まで届いていることの証明でもある。